病気、汚職…落ち武者のタタリ? 信長由来の「墓域」再開発で市と住民が対立 (3/7ページ)

2016.3.6 07:11

織田信長と戦った本願寺派の武者が眠ると伝承される「落武者の墓」。一帯は土地区画整理事業で宅地化される計画だ=三重県桑名市

織田信長と戦った本願寺派の武者が眠ると伝承される「落武者の墓」。一帯は土地区画整理事業で宅地化される計画だ=三重県桑名市【拡大】

  • 再開発地域に残る「落ち武者の墓」(左手前)。その向こうに見える矢田城があった丘陵は、織田信長が願証寺を攻略した際の戦略的要衝で、本願寺派門徒との激戦の地となった=三重県桑名市
  • 織田信長の軍勢から桑名の地を守ろうと戦った武者が眠ると伝承される「落ち武者の墓」(中央)。一帯は区画整理事業で宅地化される計画となっている=三重県桑名市

 この先行区域内には5~6基の墓域があったため、地元住民でつくる「落ち武者奉賛会」が整備前の19年12月、「落ち武者の墓の伝承が複数ある」とした申立書を市に提出した。これを受け市は墓域を試掘調査したが、最終的に「遺跡はない」と判定、宅地化を進めた。

 この結果、落ち武者の墓はこれらの墓域より約100メートル離れた開発予定地にある1基を残すのみとなった。

 「調査は申立人である奉賛会には伝えられず、住民が作業に立ち会うことも禁止された」。奉賛会会長の加藤和也さんは市への不信感をあらわにする。

 「一村総持」

 同会によると、残った1基については、もともと墓であることを示す資料もある。明治時代の古地図には田畑に囲まれた小さな方形の土地で「5歩」(約16平方メートル)と面積が記され、田畑や住宅とは違う特別な空間を印象づけている。また同時期の登記簿には、村の共有地を意味する「一村総持」の注意書きが添えられている。

「「一村総持とは、村人が自由に薪を刈ることができる山林か…」

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