桑名市の事情に詳しい土地家屋調査士は「一村総持とは、村人が自由に薪を刈ることができる山林か、村で守った墓のどちらかと考えていい。(当該の場所は)山林ではないので墓であることは明らかだ」と指摘する。
「墓だが墓地ではない」
一方、市都市整備部の伊藤恒之部長は「確かに墓とは認められるが、法的な墓地ではない。このため宅地化されても問題はない」と話す。
どういうことか。墓地埋葬法は「墓地」を自治体の許可を得た区域と定めている。「墓地」は区画整理では改葬などの手続きを経なければ壊すことができないが、これら「落ち武者の墓」は自治体の許可を受けていないため「墓地」とは認められず、開発は制限されないという。