試算では、日本エネルギー経済研究所の予想に基づき操業時の日本市場の天然ガス価格を100万BTU(英国熱量単位)当たり13.45ドルと仮定。この結果、メタンハイドレートの販売で3兆3638億円の売り上げが見込めるという。
政府は01~18年度の計画でメタンハイドレートの開発を進めている。最終段階に位置付けた16~18年度のフェーズ3では、2回目の海洋産出試験を含む商業化に向けた技術開発や、経済性の検討、環境影響の評価などを実施。終了後は民間主体の開発に移行し、10年程度後に商業化プロジェクトの開始を目指す。今年度で終了するフェーズ2までに計上した予算総額は926億円。
一方、今回の試算は産出施設の整備費や、操業に必要なコストなどは考慮していない。通常の天然ガスより割高になるであろうメタンハイドレート由来のガスが市場で売りさばけるかも不透明だ。経産省幹部は“夢の国産資源”の実現に向け、「民間主導で利益が出せるよう、試算をもとに計画を詰めていきたい」と話す。