頭から真っ赤なパンツをかぶり、ママチャリで住宅街を疾走する「パンツ仮面」。住人女性が警察に持ち込むため、勇気を振り絞って撮影した=平成27年9月30日、兵庫県尼崎市(一部画像処理しています、提供写真)【拡大】
設定上、「変態仮面」はパンツをかぶると超人的な力を発揮して悪をこらしめる正義の味方だが、目撃された男はそれとは正反対の悪行を繰り返していた。署員らは捜査に着手し、男をパンツ仮面と呼ぶようになった。
目撃情報はいずれもJR尼崎駅北側で午前6~7時に集中。だが、現場周辺の防犯カメラにはそれらしい男の映像はなく、捜査は難航した。
逮捕後の調べで判明したところによれば、男は“素顔”でママチャリを走らせながら女性を物色。気に入った女性に後ろから近づき、すれ違う直前にズボンのポケットからパンツを取り出してかぶっていたため、カメラに写らなかったとみられる。
同署は提供を受けた動画をもとに、出没場所に連日張り込み要員を派遣。風貌(ふうぼう)の似た男を見つけては後を追うという地道な捜査を続けて男を特定し、およそ半年後の今年3月9日、ママチャリですれ違いざまに女子中学生の尻を触ったとする兵庫県迷惑防止条例違反容疑で逮捕した。