鉄鋼メーカー、大同特殊鋼(名古屋市)が渋川工場(群馬県渋川市)から出た有害物質を含む廃棄物「鉄鋼スラグ」を不正に処理したとして、群馬県警が26日に、廃棄物処理法違反の疑いで同社などを書類送検する方針を固めたことが、県警への取材で分かった。
捜査関係者によると同社は、県の許可を受けていない子会社や業者と鉄鋼スラグを取引した疑いが持たれている。
県によると、鉄鋼スラグは鉄鋼の製造過程で出る副産物。平成26年1月に群馬県が立ち入り検査を行うまでに計約29万トンが処理された。同県では公共工事225カ所で道路の舗装などに同社のスラグが使われ、うち93カ所で環境基準を上回る有害物質が検出された。
県警は県からの刑事告発を受けて昨年9月、同社や子会社を家宅捜索していた。