□産経新聞論説委員・榊原智
「我々は、東シナ海及び南シナ海における状況を懸念するとともに、(略)現状を変更し緊張を高め得るあらゆる威嚇的、威圧的又は挑発的な一方的行動に対し、強い反対を表明する」
広島における先進7カ国(G7)外相会合が11日に採択した「海洋安全保障に関するG7外相声明」の一節だ。
誰が読んでも、東シナ海で尖閣諸島(沖縄県石垣市)の奪取を狙い、南シナ海で人工島の軍事化を進めている中国のことを指しているとわかる。
日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダとEU(欧州連合)がそろって、中国の傍若無人な行動に「強い反対」を唱えた意義は大きい。
国際ルールをしばしば無視する中国といえども、国際的評判は気にせざるを得ない。中国外務省報道官は12日、「強烈な不満」を表明し、「G7は海洋問題を騒ぎ立て地域の対立をあおるな」と要求した。