【講師のホンネ】一番身近な「ゲートキーパー」は親自身 柿澤一二美 (1/2ページ)

2016.6.15 05:00

 もし、お子さんに「死にたい」と告げられたら、あなたはどんな言葉を返すでしょうか?

 「子供の悩み専門」のカウンセラーを始めて6年目。小・中・高校生の自殺者数は、内閣府の発表を見ると毎年300件に上る。自殺の原因や動機は、悩みの足し算からくる。家族や親子問題(不仲・しつけ・叱責)、病気の悩み(鬱病・統合失調症・その他の精神的疾患)、男女問題(恋愛・交際)、学校問題(進路・学業不振・学友との不和)など複雑に絡み合った「悩みの足し算」により、心のコップから悩みがあふれ出し自殺に追い込まれる。自殺の危険が極めて高いと認識されるサインの中には、リストカットや無免許運転による事故、医師の指示による治療の拒否、子供による自殺願望の表明(メール・死後の世界の話題)などがある。

 「消えてなくなりたい」「生きている目標も意味も見いだせない」といった言動も自殺を示す危険なサイン。子供は本来、親や社会に向ける怒りや不満といった感情を外に出す。しかし、自ら命を絶とうと思う子供は自尊感情が低い。「私はダメな子供。生きる価値がない人間だ…」と、自分を責め続けた果てに「自殺」がある。

 「死にたい…」と、お子さんから告げられたときは、まず、胸の内を最後まで聞くことが大切。「何をバカなことを言っているんだ」と、間違ってもシャッターを下ろさないでほしい。子供は世界中の誰かではなく、あなたに聞いてほしいのです。しっかりと時間を取り、お子さんが何よりも大切であるということを示してほしいのです。お子さんの話を聞き終えたら、「あなたが死んだら私は悲しい。死なないで!」と、あなたの言葉で伝えれば大丈夫です。

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