ミャンマーは、国民民主連盟(NLD)によるティン・チョー政権が3月30日に発足して3カ月が経過したが、人権問題で具体的な成果を求める声が上がっている。国際司法裁判所(ICJ)は、同国政府に対して人権保護を規定した法整備に向けて動くよう提言した。現地ニュースメディアのミッツィマなどが報じた。
ICJのアジア責任者は、ミャンマーの人権問題は短期間での解決は難しいとしたうえで、政府が解決に向けた具体的な行程を定め、国内外に決意を示すのが重要だと指摘。「NLDは、国民の人権を軽視してきた過去の歴史を覆すまたとない機会を迎えている」と述べ、政府の行動を求めた。
ICJはミャンマー政府に対し、14項目の状況改善策を提示した。例えば、同国が司法権の独立を強化するほか、ビジネスが及ぼす人権への影響を監視・規制する能力を向上させる必要があるとしている。また、宗教や民族、性差などをめぐる差別的な法律の改定・廃止も推奨した。
さらに、「ミャンマーでは不公平な法律と裁判所の偏った判断のために、国民と司法の間に壁ができ、数十年にわたって人権侵害の被害者が公正な法の判断を仰げない状況が続いてきた」とし、特に国軍による人権侵害からの救済措置の確保が急務だと指摘している。