【高論卓説】世界で進む“大分裂” メディアやリーダーに立ちはだかる難問 (1/3ページ)

2016.7.20 05:00

 参議院選挙が終わった。

 与党、特に自民党の底堅さが顕著に出た結果となり、事後の入党者も含めると、非改選の議席と合わせて、自民党は約27年ぶりに参院で単独過半数を得た。おおさか維新なども含む改憲勢力として、参院の3分の2超の議席を確保し、衆院での圧倒的議席数も踏まえると、憲法改正の発議が可能な議席数に達した。

 ただ、私もそうだが、多くの人が野党の意外な健闘に驚いてもいる。東北6県では野党が5勝1敗となり、安倍総理が直接に遊説に回った10の重点選挙区では、与党が1勝9敗という惨状だった。自公vs民共などといわれ、自衛隊などを否定している共産党と組んだ民進党は、直前に党名を変更したというビハインドもあって、もっと惨敗すると思われたが、案外、底堅い支持が得られたともいえる。

 乱暴に大別すれば、金融(+財政)政策中心に、マクロ目線で、特に大企業の業績を上げることに熱心な与党を支持する人たちと、むしろそうした態度に反感を持ち、より、個別の弱者への目線や、彼らへの「分配」に関心を有する人たち(結果として民進党や共産党を支持)との間で分裂が起こり始めているのかもしれない。イコールではないが、前者に改憲勢力、後者に護憲勢力を重ねて見ることもおおむね可能であろう。

 このように、今回の選挙結果を総括して、わが国における民意の大きな分裂の兆しを見るのは、大げさだろうか。

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