【論風】パリ協定発効で加速する温暖化対策 官民挙げ印への協力強化を (1/3ページ)

2016.10.27 05:00

 □地球環境戦略研究機関理事長・浜中裕徳

 11月7日からモロッコ・マラケシュで国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が開催されるが、パリ協定がこれに先立って発効することになった。パリ協定の発効の要件は、世界排出量の55%以上の排出量を占める55以上の条約締約国が締結することであるが、国連は10月5日にこの要件を満たし、30日後の11月4日に発効すると発表した。

 パリ協定は、米国や、中国、インドなど途上国を含め、全ての条約締約国に適用される枠組みであり、気温上昇抑制に関する大変高い目標を掲げ、その実現に向けて各国の削減約束を5年ごとに段階的に引き上げていくこととし、化石燃料に依存しない社会への移行に向けて世界が動き出すというシグナルを送った。協定の採択後も、多くの国の政府、地方自治体、企業などが、このシグナルに呼応するかのように意欲的な取り組みを始めているが、協定が早期に発効することになり、こうした取り組みの流れがさらに加速することになろう。

 ◆早期批准の流れ

 今年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の首脳宣言は、パリ協定の2016年中の発効という目標に向け、可能な限り早期の締結に必要な措置をとることにコミットするとともに、全ての締約国に同様の対応を求めるとした。そして、中国・杭州で開催されたG20首脳会議に先立ち、9月3日に米中首脳が両国の協定批准を共同発表し、早期発効に向けた世界の流れを大きく加速したことは記憶に新しい。同時に、インドが9月末に、マハトマ・ガンジーの誕生日である10月2日に協定を批准すると決定したことも大きな注目を集めた。欧州連合(EU)も急遽(きゅうきょ)、一括批准することとし、10月4日、欧州議会がこれを承認したが、米国、中国、そしてインドの予想以上の早期の批准に背中を押されたと見てよいであろう。

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