人工知能「東ロボくん」が東大合格を断念

 東京大の入試突破を目指してきた人工知能「東ロボくん」開発チームは8日、東大合格を断念し、得意な数学などの記述式試験の成績を伸ばすための研究へ転換すると明らかにした。

 今年の大学入試センター試験模試の結果は14日に発表する。国立情報学研究所の新井紀子教授は「東ロボくんは高校生の8割より良い成績になったが、読解力に問題があり(東大合格に必要とされる)上位1%以上にはなれない。今後は記述式試験を解くための研究などに集中したい」としている。

 新井教授らは平成23年、「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトを開始。各科目の試験に対応した複数の人工知能プログラムを開発し、昨年は大手予備校のセンター試験模試で偏差値58の成績となった。東大合格には届かないが、国公立33大学、私立441大学で合格可能性80%以上。新井教授は「これまでの成果を、子供たちの読解力を養う研究に生かしたい」としている。