モロッコ・マラケシュで開かれたCOP22の会場では、会議に並行してさまざまなイベントや国際機関による環境関連の発表などがあり、パリ協定の求める大幅なCO2排出削減の重要性をアピールした。
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■パリ協定への参加続けて 米大手企業が次期政権に包囲網
「パリ協定」第1回締約国会議の会場で、360を超える米国企業が、トランプ次期大統領に協定への参加を続けるよう求める声明を発表した。オバマ政権も最後まで「脱炭素社会」の基盤を固める姿勢を表明。選挙戦では協定離脱にまで言及したトランプ氏に翻意を迫る包囲網を敷く狙いだ。
声明にはナイキやケロッグ、デュポンなどの365の有名企業や投資家が名を連ね、「低炭素経済を構築するのに失敗すれば、米国民の繁栄が危機にさらされる」と警告。「正しい行動をとれば、雇用の創出や競争力の向上につながる」と訴えた。既に、パリ協定を前提にした排出削減目標を立てた企業もある。
声明に参加した食品大手、マースの担当者は記者会見で「ビジネスを守るために温暖化対策に積極的に取り組むことは当然だ。政権が変わっても排出量の大幅削減を約束しているわが社の姿勢は変わらない」と述べた。
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□世界気象機関(WMO)
■暑い夏、今年も更新 温暖化で異常気象
2016年の世界の平均気温が15年の記録を上回り、観測史上で最も高くなるとの見通しを発表した。16年は世界各地で異常高温や洪水、干魃(かんばつ)などが相次いだ。WMOは「人間が引き起こした地球温暖化がこうした異常気象の背景にある」と分析。「パリ協定」の下で、各国が温室効果ガスの削減を進めるよう求めている。