イプシロン発射 「とても美しいフライト」「涙にじんだ」 JAXA関係者が歓喜 (1/2ページ)

  • 科学衛星「エルグ」を搭載して打ち上げられたイプシロン2号機=20日午後8時過ぎ、鹿児島県肝付町(JAXA提供)

 小型ロケット「イプシロン」2号機の打ち上げが成功した20日夜、発射場の内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)では宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関係者らが会見し、喜びと安堵の表情を見せた。

 イプシロンを統括する森田泰弘教授は「とても美しいフライトで、軌道ど真ん中だった。見事に衛星にたすきを渡した」と満足そうに語った。

 前日には天候の悪化が予想され、打ち上げ延期を懸念したというが、打ち上げ時間帯は満天の星空だった。森田氏は「念力で天気を良くしようと皆で言った。その思いが通じたと思った瞬間、今日は絶対うまくいくという根拠のない確信ができた」と明かした。

 旅立つ機体を見つめた感想を、森田氏は「初めて少し涙がにじんだ。(初号機の)前回は僕の人生で一番きれいな打ち上げだったが、今日はそれを通り越して美しかった」と感慨深げに語った。

 軌道投入した科学衛星「エルグ」は、地球周辺にある放射線が強い「バンアレン帯」という空間を観測する。統括する篠原育准教授は、永野和行肝付町長が記したという愛称「あらせ」の色紙を手にして、「これから大変な運用が続く。正常な科学観測を開始できるように頑張りたい」と気を引き締めた。

 奥村直樹理事長は「正常に役割を果たし、大変ほっとしたところ」と胸をなで下ろした。平成25年の初号機では、コンピューターの設定ミスで発射直前に打ち上げを中止するトラブルがあった。「今回は何としても成功させる意気込みで進めてきた。前回の手違いを全て克服する成功となった」と話した。

将来は商業打ち上げ市場に参入し、民間企業や海外からの受注を目指す