電通を書類送検 会社と当時の上司を労基法違反容疑で 異例のスピード立件

電通本社ビル=東京都港区(伴龍二撮影)
電通本社ビル=東京都港区(伴龍二撮影)【拡大】

 社員に違法な長時間労働をさせていたとして、厚生労働省東京労働局は28日、労働基準法違反の疑いで、法人としての電通と、過労自殺した女性新入社員の当時の上司を書類送検した。11月に強制捜査に着手してからわずか1カ月半という異例のスピードで立件。労働局は組織的な違法労働が常態化しているとみて、全容解明を目指し、越年して捜査を継続する。

 捜査関係者によると、電通は労使協定で定められている時間外労働の上限を超えて、社員に違法な労働をさせた上、勤務記録に実態とかけ離れて過少に申告させた疑いが持たれている。

 新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が昨年12月、過労自殺し、長時間労働で鬱病を発症したとして、三田労働基準監督署(東京)が今年9月に労災認定していた。鬱病を発症する前の1カ月間の残業は105時間になり、その前の月の約40時間から2倍以上を記録していた。

 厚労省は10月、「過重労働撲滅特別対策班」(通称・かとく)を投入して、本社(東京都港区)、3支社(大阪、京都、名古屋)、子会社などに「臨検」と呼ばれる任意の立ち入り調査を行った。11月には本社と3支社に強制捜査に入り、勤務記録などの資料を押収した。

 電通では平成3年にも、入社2年目の男性社員=当時(24)=が過労自殺。22年8月に中部支社(名古屋)、26年6月に関西支社(大阪)、27年8月に本社で違法な長時間労働があったとして、各労基署が是正勧告を出していた。