入植拡大で中東和平危うく 米国務長官、イスラエル政権を非難

2016.12.30 05:00

 ケリー米国務長官は28日、ワシントンで講演し、「中東和平の可能性はますます危うくなっている」と指摘した。ネタニヤフ首相率いるイスラエル政府がヨルダン川西岸への入植拡大を支持し、紛争解決に向け「二国家共存策」を生み出すとする同国とパレスチナが表明した目標に反しているためだ。

 1967年以前の境界からかなり離れた地域を含む入植の拡大は、外交的解決の見通しが「低下しつつあることを意味する」と発言した。ケリー氏はネタニヤフ政権について「イスラエル史上、最も右翼的だ」と非難した。

 米国は先週、ヨルダン川西岸でのイスラエル政策を批判する国連決議案に拒否権を行使しなかった。オバマ政権の任期が残りわずか約3週間となる中、ケリー長官は共和党のトランプ次期政権との間で火種となった問題について、現政権の立場を明確にした。

 ケリー長官の講演から数分後、ネタニヤフ首相はエルサレムで記者団に対し、長官の発言は「バランスが取れていない。米国が入植に焦点を合わせているのは見当違いだ」と指摘。「この紛争は、今もこれまでも、イスラエルが存在する権利そのものをめぐるものだ。存在そのものを認めない相手と和解できるだろうか」と反発した。

 トランプ次期米大統領は同国連決議案をめぐりオバマ氏を批判しており、1月20日の就任後はイスラエルとの関係を強化すると表明している。トランプ氏が駐イスラエル大使に指名した弁護士のデービッド・フリードマン氏は入植を強く支持している。(ブルームバーグ Michael S.Arnold、Chris Strohm)

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