【社説】トランプ氏、世界の秩序脅かしかねない (1/3ページ)

2016.12.31 05:00

 ドナルド・トランプ次期米大統領は現状をひっくり返すべきだと主張する。こうした無秩序志向は国内政策としてはリスキーだ。外交政策としては破滅的な結果を招きかねない。

 トランプ氏はまだ大統領ではない。従って結論を急ぐのは慎むべきだ。しかしこうした心配には正当な根拠がある。トランプ氏は米国と世界との関係について、現状を拒絶し、世界の安定を国家としての屈服ととらえているように見受けられる。

 トランプ氏の外交アプローチは早くも、台湾に関する同氏の介入が物語る。驚くべきことは、同氏が就任前の時点で台湾をめぐる米中のデリケートなバランスを捨て去ったことではない。その後の同氏の発言の方がもっと気がかりだ。中国が米国との貿易で公正な取引を拒むなら、なぜ台湾について米国が中国の望み通りに行動する必要があろうかと、トランプ氏は事実上問いかけている。

 同氏がやろうとしているのは通商政策を国際的な権力争いに結びつけることであり、中国は喜んで挑戦を受けて立つと考えられる。より有利な条件で合意するために揺さぶりをかけるという戦略だ(解釈によっては、中国がトランプ次期政権が望むような貿易条件で合意する限り、米国は台湾について何も口を出さないことであり、それ自体問題がある)。こうした考え方は良い結果に導かない。

 1945年以降に米国が策定し実現させた世界の秩序は、米国民のみならず世界に利益をもたらし、それはいかなる期待をも上回った。民主主義の拡大や、超大国間の直接の紛争回避、共産主義の崩壊、世界貿易の自由主義的なシステム構築は、米国と、増え続けるその同盟国に多大な利益をもたらした。こうした評価すべき功績は自然にできたものではない。戦後の秩序は時に障害を乗り越え、意図的に構築されたものであり、注意深く維持されるべきものだ。

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