過労自殺で責任、電通役員を減俸 高橋まつりさんの上司3人も処分

 広告最大手の電通は18日、女性新入社員、高橋まつりさん=当時(24)=の過労自殺問題の責任を明確化するため、中本祥一副社長ら執行役員5人を減俸処分にしたと発表した。高橋さんの上司に当たる社員3人も処分した。経営管理部門の責任者を務める中本氏をはじめ、5人は労務などを担当しており、いずれも月額報酬の20%を3カ月間カットする。社員3人は社内規則に沿って厳正に処分したと説明している。

 高橋さんは2015年12月に自殺、その後労災認定された。高橋さんの問題をきっかけに電通は労使協定(三六協定)を超える長時間労働の常態化が判明し、労働基準法違反事件に発展。会社と幹部1人が書類送検された後も捜査は継続中で、電通が再度、社内処分を行う可能性もある。

 石井直社長は昨年12月に引責辞任する意向を表明しており、月内に開かれる取締役会で正式に退く。