度胸の問題 恥をかくと思う気持ちが敵
来日した外国人観光客が日本でまず驚くのは、街中に氾濫している英語看板だそうだ。看板だけではない。言われてみれば、普段着ているTシャツも菓子、化粧品の箱もクルマの名前まで日本はどこでも何でも英語が多い。次に彼らが驚くのが英語を6年以上学んだことを知ったときだ。そして彼らは思う。6年も英語を勉強し、英語があふれた社会で暮らしている日本人がなぜ英語を話せないのか。
言い訳はある。英語を勉強しても話す機会がない。学校では文法や和訳が中心で会話のクラスはなかった。だが、日本人が英語を話せない一番の理由は「人前で話すのが恥ずかしい」と思う気持ちに尽きると思う。言い方を変えれば度胸の問題だ。カラオケでは人前で歌える日本人に度胸がないとは思わないが、結局、「うまく英語を話さないと恥をかく」と思うその気持ちが最大の敵になっている。
日本人だからネーティブと同じ発音で英語が話せないのは当たり前という開き直りが大事だ。英語は道具だからその道具を使って相手と意思の疎通が取れればそれでいいのであって、世界の誰も日本人が英国人のように英語を話すことを期待していない。