気象庁が新たな洪水危険度分布を公表へ 3時間先の予想10分ごと更新

洪水の発生危険度を1キロ四方単位で色分けした地図。10分おきに更新される(気象庁提供)
洪水の発生危険度を1キロ四方単位で色分けした地図。10分おきに更新される(気象庁提供)【拡大】

 気象庁は28日、洪水や浸水害の恐れが高まった際に1キロ四方単位で危険度の高さを5段階表示する防災情報の提供をホームページ上で始めることを明らかにした。提供開始は7月上旬。これまで市町村ごとに警報や注意報が発表されてきたが、この情報で自分がいる場所の危険度がピンポイントで分かるという。

 気象庁は地形や都市化の度合いなどを地図上の1キロ四方単位で分析し、各地点での過去20年分の観測データを基に洪水や浸水の起きやすさを指数化。これに予想雨量を組み合わせ、10分おきに危険度の変化をリアルタイムに表示する。

 危険度は、高い順に「極めて危険」(濃い紫)▽「非常に危険」(薄い紫)▽「警戒」(赤)▽「注意」(黄)▽「今後の情報等に留意」(水色、無色)-となる。浸水では1時間後まで、洪水では3時間後までの予想を基に表す。

 気象庁は「数十年に1度」レベルの災害が予想される場合に特別警報を都道府県単位で発表していたが、今回開発した指数を用い、危険度の低い市町村を除外するなど、精度を高めることができるという。

 洪水については国や自治体などの河川管理者が水位情報を発表しているが、数時間先の危険度を示すことで避難開始の判断に役立てるのがねらい。担当者は「『非常に危険』を示す薄い紫色が出たら市町村は避難を呼びかけ、住民は避難を開始するタイミングだと思ってほしい」と活用を促している。