【Science View】 (1/4ページ)

2017.5.18 05:00


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  • 図IP3受容体の動作モデル(1)IPが結合すると、(2)構造変化を起こし、(3)HD3領域にある小葉型構造(リーフレット)が矢印の向き動き、チャネルに構造変化を伝達し、(4)Caチャネルの孔のαヘリックスが移動して孔が開き、小胞体から細胞質へCaが放出される。
  • 図IP3受容体の動作モデル(1)IPが結合すると、(2)構造変化を起こし、(3)HD3領域にある小葉型構造(リーフレット)が矢印の向き動き、チャネルに構造変化を伝達し、(4)Caチャネルの孔のαヘリックスが移動して孔が開き、小胞体から細胞質へCaが放出される。図機械学習を利用した細胞分化パターンの識別と細胞分化種類の空間分布専門家が選択した画像を元に機械学習を行い、顕微鏡画像に含まれる分化パターンの識別を自動的に行う。その後、境界からの距離と細胞分化種類の割合との関係を定量的に調査した。

 ■脳の働きに重要なIP3受容体の動作原理を解明

 □理化学研究所脳科学総合研究センター 発生神経生物研究チーム 研究員・濱田耕造

 細胞は細胞外から刺激を受けると、小胞体の中のカルシウムイオン(Ca2+)を細胞質に放出して、濃度を一過的に増加させることにより、神経の興奮、免疫応答、細胞死など多岐な生命現象を引き起こす。このとき、小胞体膜上にあるIP3受容体(イノシトール三リン酸受容体)はリガンドのIP3を特異的に認識して結合させ、4つが組み合わさって中心部にCa2+を一つだけ通す孔を形成する。しかし、その開口の詳しい動作原理は不明だった。

 今回、理研の共同研究チームは遺伝子工学を用いて、IP3結合部位からチャネル部位につながるタンパク質結晶の大量作製とその立体構造決定に成功した。また、IP3存在下・非存在下と欠失変異体の結晶構造の決定、続く遺伝子操作による機能解析により、次のようなIP3受容体の動作原理を解明した。(1)IP3が結合部位に結合すると、(2)構造変化を起こし、(3)チャネルに近い領域にある20個ほどのアミノ酸が連なり小葉型(リーフレット)構造をした部分が外側に動き、チャネルに構造変化を伝達し、(4)チャネルの孔のαヘリックスが移動して孔が開き、小胞体から細胞質へCa2+が放出される。

 IP3受容体タンパク質に異常があると脳の形態やシナプス可塑性に異変が起き、IP3受容体の遺伝子に変異が起きると神経疾患を発症する。本成果の動作原理は今後、神経疾患や認知症の治療・予防に役立つ新しい創薬ターゲットとして役立つと期待できる。

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