知的財産戦略推進事務局がある内閣府本庁舎=東京都千代田区【拡大】
一方、こうした膨大なデータが流通する仕組みを、超高性能なハードウエアがひっくり返す可能性があるという話もある。実はこのハードは、外資が傘下に収めようと狙う瀕死(ひんし)の日本企業が強い分野である。
外資が目を付けるほどの強みをもつ企業であれば、独自の戦略モデルで世界と戦える可能性も出てくる。当然、国や企業が集めるべき知財の質も変わってくる。
わが国の、潜在化している技術や知財の優位性を具体的に挙げながら検討することで、日本企業が勝利できる知財関連制度を設計することもできるだろう。だが、公式のオープンな場で、日本企業や日本産業を勝たせるという、真にシリアスな戦略議論ができるだろうか。だから国益を重視する面々は、オープンな議論の場に加えて、クローズドな場も必要になるという主張を展開するのである。(知財情報&戦略システム 中岡浩)