気象庁は31日、地球温暖化の原因とされる大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の2016年の年平均値が、国内の観測地点3カ所でいずれも観測史上最高だったと発表した。濃度は年々増加しており、1997年に観測地点が3カ所になって以降、毎年過去最高を更新している。
増加量は過去10年の平均を上回った。14年夏から16年春まで続いたエルニーニョ現象の影響で、植物のCO2の吸収量が減ったことも影響したとみられる。
気象庁によると、濃度は岩手県大船渡市407.2ppm(前年比3.8ppm増)、小笠原諸島・南鳥島404.9(同3.4ppm増)、沖縄県・与那国島407.1ppm(同3.2ppm増)。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、産業革命前からの気温上昇幅2度未満を達成するためには、2100年時点でCO2を含む温室効果ガス濃度を450ppmに抑える必要があるとしている。