復興の大義名分、被災地食い物に 除染事業、相次ぐ不正に「当たり前」の声も (2/2ページ)


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 除染には3兆円超の予算が計上された。福島県浪江町の除染では平成25年以降、安藤ハザマが筆頭の共同企業体(JV)が受注。ほかの福島県内の自治体、国発注の除染にもJVを組むなどして参加していた。

 震災復興事業をめぐっては、これまでも不正がたびたび発覚。損傷した東北地方の高速道路の復旧工事では、道路舗装会社が談合を繰り返していた。関係者の一人は「震災復興に寄与する工事で、緊急性が高く(談合は)やむを得ない」と語った。早期復興のためには談合が必要悪だ、という思いが透けて見える。

 今年3月には、環境省の出先機関「福島環境再生事務所」の職員が収賄容疑で逮捕される事件もあった。

 除染事業でも不正は相次ぎ、福島市では5月、山林除染をした業者が工事単価の高い竹林で作業したと偽装した問題が発覚した。ある業者の幹部は「不正と言われれば不正だが、暗黙の了解だった」と話す。

 「不正は当たり前」(業者幹部)。もしそうだとしたら、発注者の国や自治体のチェック態勢も根底から問われることになりそうだ。