【専欄】現実を映す反腐敗ドラマ 元滋賀県立大学教授・荒井利明 (1/2ページ)

2017.6.13 05:00

 中国の「湖南衛視」(湖南衛星テレビ)が今春放送した、反腐敗闘争を描いた人気連続ドラマ「人民的名義(人民の名において)」(全55回)を見た。リアルで、見応えがあった。

 ドラマの舞台は架空の漢東省とその中心都市の京州市。主人公はこの省の人民検察院反腐敗局の新任局長。前任の局長が捜査中に交通事故で意識不明になったため、最高人民検察院の処長として腐敗退治に取り組んでいた主人公が急遽(きゅうきょ)、後任として送り込まれたのだった。

 交通事故は腐敗グループによる殺人未遂だったことも明らかになるが、ドラマは京州市副市長の海外逃亡で始まる。主人公と彼を支持する省トップの共産党書記ら清廉潔白な「清官」によって、腐敗した党官僚と悪徳実業家の癒着が次々に暴かれ、省の元党書記を筆頭に、副書記、省の公安トップらと彼らの庇護(ひご)のもとにあった実業家が摘発され、多くは裁判で有罪になり、一部は自殺するというストーリーである。

 習近平政権が発足した2012年秋以降の反腐敗キャンペーンによって、党の高官だけでも約200人が摘発されており、ドラマはまさに現実の反映でもある。腐敗は深刻だが、党は腐敗を退治できる、というのがドラマの視聴者へのメッセージであり、それは習近平が国民に訴えたいことでもあろう。

 テレビのドラマは終わったが、ドラマの放送前後から、興味深いもうひとつの現実の「ドラマ」が始まっている。

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