全検査で抜き打ちを検討 解熱鎮静剤に中国製混入受け 和歌山県

 和歌山市の国内大手原薬メーカー「山本化学工業」が、解熱鎮痛剤に中国製を無届けで混入させていた問題を受け、和歌山県の仁坂吉伸知事は4日の定例記者会見で、再発防止の一環として、原薬メーカーに限らず、県が行う全ての立ち入り検査を無通告の抜き打ち検査に切り替えることができないか検討を始めたと明らかにした。

 県が事前通告の上で実施していた定期検査で、同社は偽造した製造記録を提出するなどして8年以上にわたって不正の発覚を免れていたが、無通告での立ち入り検査で不正を確認した。仁坂知事は「全庁的に検査方法を見直して、支障のない限り、抜き打ちに変えていきたい」と述べた。

 厚生労働省は6月、原薬メーカーなどへの立ち入り検査を原則として無通告で実施するよう各都道府県に通知を出した。