桜にとってのヒアリ? 「クビアカツヤカミキリ」大暴れ 全国からマニアも集結 (2/3ページ)

クビアカツヤカミキリの成虫=群馬県館林市富士原町の館林高校の桜並木
クビアカツヤカミキリの成虫=群馬県館林市富士原町の館林高校の桜並木【拡大】

  • モモの木の内部を食い荒らし穴を空けた幼虫(群馬県農業技術センター提供)
  • 館林高校の桜並木。幼虫が出すカリントウ状のフラスがネットの上にたまっていた=群馬県館林市富士原町

 群馬県内では27年7月、館林市で初めて確認され、2年後の今月、東毛地域のモモ、スモモ、ウメの果樹園でも見つかり被害の拡大が心配されている。同市や県は発生数の県別比較はしていないが、インターネットなどによると、館林の発生数はかなり多いようだ。

 館林高校(斉藤正章校長)では27年、校門前のソメイヨシノの並木で見つかり翌28年5月、木の内部に殺虫剤を注入、樹木の根元から防虫ネットで覆い羽化して出てきた成虫の拡散を防ぐ対策をとってきた。だが今年6月から成虫が発生し始め、ピークは過ぎたものの今月中旬になっても木から出てくるという。

 樹木周辺にはフラス(糞と木くずが混ざったカリントウ状の黄色い排泄(はいせつ)物)が無残に散らばっていた。校門に並ぶ名物の並木28本のうち「ソメイヨシノ27本すべてが被害にあい(無事の1本はヤマザクラ)、うち4本は枯死し、校内の別な4本も被害を受け深刻な状態」(同校の石橋厚子事務長)。枯死した木が倒れ生徒らに被害が及ばないよう、すべてのソメイヨシノ伐採も検討中だが「愛されてきた存在なので同窓会とも相談しないと」(同)。学校も苦慮している。

昆虫マニアが集結して採集