電脳世界に接続するため、ネットに通じるPCを探して島根の片田舎を走り回るが、なかなか見つからない。そこで「島根にパソコンなんてあるわけないじゃん!」とぼやくシーンがあるのだ。他にも「おばあちゃんちだから、パソコンなんて無いよ」「無いよなぁ……島根だから」「島根にだってパソコンくらいあるだろ!」--など、島根に絡めたせりふが多数登場する。
映画が公開された17年前は、まだ「Windows XP」も登場していない時代だ。総務省が公開した情報通信白書(平成26年版)によれば、映画を製作していた1999年当時のPC普及率(世帯)は日本全体で37.7%と、島根県どころか全国でも普及していない。PCを持っている家庭のほうが珍しい時代だったのだ。ちなみに2015年末時点では76.8%となっている(出典:平成28年度版 情報通信白書)。
その後、“島根にパソコンがない”というキャッチーなフレーズに面白さが見いだされたのか、PCが普及して以降、ネット上でよく使われる言葉としてネットスラング化した。
特に、テレビアニメ「デジモンアドベンチャー」の第1話で主人公たちが初めて“デジモン”に出会ったのが8月1日という設定だ。ファンの間では記念日のようになっており、「島根にパソコンなんかあるわけないじゃん」というフレーズが“デジモンあるある”として夏によく言及される--といった具合だ。