無精子症マウスのiPS細胞使い子孫誕生に成功 「理論上は卵子でも可能」男性不妊症の治療に光


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 染色体異常が原因で無精子症となっている不妊マウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って正常な生殖細胞を作り、人工授精で健常な子を出産させることに成功したと、京都大大学院医学研究科の斎藤通紀教授(細胞生物学)らと英国の研究所の共同研究グループが17日、米科学誌「サイエンス」電子版に発表した。斎藤教授は「将来的には、染色体異常による人の不妊治療法の開発につながる可能性がある」と話している。

 グループは、染色体異常が原因で精子が作れない不妊マウスの尻尾からiPS細胞を作製。すると、約12%の割合で正常な染色体配列を持つiPS細胞ができることを発見した。なぜ正常なiPS細胞が作られるのかのメカニズムは分かっていないという。

 この正常なiPS細胞だけを取り出して生殖細胞を作り、生殖細胞が欠損して無精子症になっている別の不妊マウスの精巣に移植。このマウスが作った精子を使って人工授精したところ、健常な子が生まれた。

 さらに、こうして生まれた子が通常の交尾で出産したマウスにも、染色体や生殖機能の異常はなかった。

 一方、染色体異常で不妊になることが多いとされるクラインフェルター症候群の男性患者の皮膚から作製したiPS細胞は、マウスと比べて少ない割合だが、正常な染色体を持つことがわかった。

 斎藤教授は人への応用については「時間がかかる」とした上で、「今回の方法を使えば、理論上は卵子でも可能だ」としている。

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