米グーグル親会社の研究部門「X」が世界救うか 塩と不凍液で再生エネルギー貯蔵に取り組む (2/3ページ)

マルタのエネルギー貯蔵システムのイメージ図(X提供)
マルタのエネルギー貯蔵システムのイメージ図(X提供)【拡大】

 10人ほどの開発チームは必要最小限の試作品を用いてテストを行っている。これを本格的なプロジェクトに発展させ、ビジネスモデルを生み出すのがXのやり方だ。マルタはまだXの正式プロジェクトではないが、「リスク要因の除去」は既に終わった。フェルテン氏によれば、今は実物大の試作品を製造して運転し、送電網に接続するための提携先を探している段階だ。つまりアルファベットは独シーメンスやスイスのABB、米ゼネラル・エレクトリック(GE)らエネルギー業界大手と提携または競合する可能性があるということになる。

 調査会社ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)によれば、Xが参入を試みている市場への投資額は2024年までに400億ドル(約4兆4480億円)に達する見込み。16年のエネルギー貯蔵量は約790メガワットだが、7年後には45ギガワットまで増えるとBNEFは予測している。既存の送電網と再生可能エネルギーは接続が難しく、新しい貯蔵法が求められている。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは需要の少ない昼や夜にエネルギーを量産する。そのため電力会社は、安定した石油・石炭火力発電や出力を調整しやすい天然ガス発電を選択せざるを得ない。

 余剰電力を貯蔵する良い方法がないため、カリフォルニア州は今年前半、太陽光や風力で発電した電力を30万メガワット時以上も廃棄した。これは数十万世帯の電力消費量に相当する。

システム、科学的に実証済み