認知症の早期発見、VRゲームを活用 新たな検査方法の設計を支援 (1/3ページ)

「シ・ヒーロー・クエストVR」をサムスンの「ギアVR」でプレイする人(グリッチャーズ提供)
「シ・ヒーロー・クエストVR」をサムスンの「ギアVR」でプレイする人(グリッチャーズ提供)【拡大】

  • 「シー・ヒーロー・クエストVR」の一場面(グリッチャーズ提供)

 氷壁に囲まれた湖を進み、沼地を歩き回って隠れたモンスターを探す仮想現実(VR)ゲームと聞いたら、なかなか面白そうだと思うかもしれない。しかし新しいVRゲーム「シー・ヒーロー・クエストVR」にはもっと深い目的がある。それは、認知症の新たな検査方法の設計を後押しすることだ。

 8月下旬にリリースされたこのゲームは、ロンドンを拠点とするゲーム制作会社グリッチャーズが、独通信大手ドイツテレコムの資金提供を受け、英国およびスイスの大学の研究者や認知症/アルツハイマー病関連の慈善団体と協力して開発した。サムスンの「ギアVR」やフェイスブック傘下オキュラスの「リフト」といったVR用ヘッドマウントディスプレーに対応し、無料でダウンロードできる。

 詳細なデータを提供

 このゲームは、プレーヤーがどのようなアクションをし、どこをどれだけの時間見つめたかといったデータを匿名化して収集し、ドイツにあるドイツテレコムのサーバーに蓄積する。プレーヤー側の設定によって、年齢や性別、位置情報といったより詳細なデータを提供することもできる。

 このデータを神経科学者と認知心理学者が分析して、未知の環境における人間の空間認識力やナビゲーション能力の理解に役立てることが目標だ。研究者によると、こうした能力のわずかな低下は認知症の初期症状を示している可能性がある。そして、同ゲームで収集するデータが、ゆくゆくは認知機能障害を早期に発見するための新たな検査方法の開発につながる可能性があるという。

今よりも早い段階で認知症の診断を