民生分野で広がる「顔認証」 賃貸住宅にも登場 東京五輪控え導入機運高まる (2/3ページ)

▽日本の動画顔認証の技術は世界一、しかし国内での普及に遅れ

 この顔認証技術において日本は世界のトップを走っていることをご存知だろうか? 例えば、前述のNECのNeoFaceは、世界的権威のある米国立標準技術研究所による初の動画顔認証の評価プログラムにおいて最高評価を獲得するほどだ。NECにおいては、約40カ国での実用導入例-空港における出入国管理や重要施設でのセキュリティー、スポーツイベントやコンサートでのチケットレス入場、サッカー場での当局にマークされているフーリガンの発見など-がある。その一方で、日本国内での導入は未だ多くが実証実験段階であり、顔認証技術の実際の導入・活用は大きく遅れを取っている。

 その理由の一つはセキュリティー意識とプライバシーの意識のアンバランスさにある。「安全神話」とも揶揄される危機意識の低さと、安全性よりも個人情報を取られることに対する拒否感を優先する風潮がその妨げになっている。

 ところで、顔認証技術には静止画顔認証技術と動画顔認証技術とがあり(NeoFaceはその両方に対応している)、オートロックの解錠には静止画顔認証の技術が使われている。対して、大規模施設等での入退出管理や危険人物の検出などに必要なのは動画顔認証技術だ。

積極認証と異なる非積極認証への対応技術紹介(フィジカルセキュリティー NECより転載)。(C)NEC Corporation 1994

積極認証と異なる非積極認証への対応技術紹介(フィジカルセキュリティー NECより転載)。(C)NEC Corporation 1994

 静止画顔認証が本人の意志で行う「積極認証」であるのに対して、動画顔認証は「非積極認証」であり、本人が意識しない状態・場所で認証される。このような仕組みに対して拒否反応を持つ傾向が日本国内にはある。セキュリティー確保とプライバシー保護にはトレードオフの一面があるが、日本ではプライバシー保護に過剰に傾くために、導入に拍車がかからなかったのだ。

世界的イベント続々、これからの日本に欠かせない技術