【松本真由美の環境・エネルギーDiary】ニューエコツーリズムへの挑戦 (1/4ページ)

温泉バイナリー発電所のモニター画面
温泉バイナリー発電所のモニター画面【拡大】

  • 土湯温泉の2号源泉
  • 水槽内のオ二テナガエビ
  • 土湯温泉の温泉バイナリー発電所=福島市土湯温泉町

 先日、福島市の南西部、土湯温泉にある温泉バイナリー発電所(最大出力440キロワット)を訪ねる機会を得ました。土湯温泉は、吾妻連峰の山間に位置する、清流に恵まれた風光明媚(めいび)な温泉郷です。標高450メートルほどのこの温泉町で行われている、地域資源を生かしたまちづくりが注目されています。

 ◆温泉バイナリー発電

 土湯温泉にはピーク時、年間60万人の観光客が訪れていましたが、2011年の東日本大震災と福島第1原子力発電所事故による風評被害などの影響で観光客が激減。16軒あった宿泊施設のうち5軒は廃・休業してしまいました。土湯温泉町の存続に関わる危機的な状況に直面し、現状を打破していこうと、湯遊つちゆ温泉協同組合とNPO法人、土湯温泉観光まちづくり協議会が12年10月、再生可能エネルギー事業などを通して町の活性化に取り組む「元気アップつちゆ」(資本金2000万円)を共同出資で設立しました。震災からの復興、まちづくりに取り組む同社の加藤勝一社長に現場を案内していただきました。

 「11年10月、29人の仲間とともに土湯温泉町復興再生協議会を発足させ、復興計画を策定しました。土湯の河川や温泉、地熱などの地域資源を活用し、新たな魅力をつくり出していこうと考えました」

 従来型の地熱発電設備は、おおむね200度以上の高温・高圧の蒸気が噴出する坑井が必要ですが、土湯温泉では、100度以上の熱水であれば利用できるバイナリー発電と呼ばれる方式で発電を行っています。沸点が水より低い媒体を、温泉の熱水で気化させてタービンを回す仕組みで、土湯温泉のバイナリー発電所では媒体に化学物質のペンタンを使用しています。

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