【松本真由美の環境・エネルギーDiary】ニューエコツーリズムへの挑戦 (3/4ページ)

温泉バイナリー発電所のモニター画面
温泉バイナリー発電所のモニター画面【拡大】

  • 土湯温泉の2号源泉
  • 水槽内のオ二テナガエビ
  • 土湯温泉の温泉バイナリー発電所=福島市土湯温泉町

 ◆廃熱でオニテナガエビ養殖

 12月から、発電に伴って出る廃熱を利用して、全国的にも珍しいエビの養殖を始めました。養殖しているのは東南アジア原産のオニテナガエビで、高級食材としても知られています。「湯快な土湯温泉エビ養殖事業」と名付けられたこの事業は、経済産業省の16年度「地熱理解促進関連事業」に採択され、定額補助を受けています。発電所のそばにあるエビ養殖場にも案内していただきました。

 媒体の冷却水(約21度)と温泉水(約65度)を利用し、養殖用水を25度前後に温める熱交換設備を導入しました。水槽は一定の温度を保ちながら、常時かけ流し状態にできます。媒体の冷却水が25度前後の場合は、電力を一切使わないシステムになっています。水槽の水温管理に光熱費がかかるため、国内ではエビ養殖があまり進んでいませんが、バイナリー発電後で使った冷却水と温泉水を熱源に利用することにより、この課題が解決できる可能性があります。

 「オニテナガエビは今年3月末に孵化(ふか)しました。体長28センチほどに成長します。養殖を成功させ、この高級食材を土湯温泉の新たな名物にしたい。温泉街の一角にエビの釣り堀や食事処、カフェなどを整備し、にぎわいを創出する再開発事業計画も進めています」

 ◆売電収入の一部 地元に還元

 売電収入の一部を、地元住民のバス定期代として還元する取り組みも始めました。

 「売電収入のうち100万円ほどを、福島市街地と土湯温泉間のバスを利用している地元高校生や高齢者の定期代として支給させていただいています。住民に喜んでいただき、うれしいです。売電収入は投資分を償却後、町の復興に活用したいと思っています」

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