【社説で経済を読む】「希望の党」は希望をもたらすのか (2/3ページ)

自らが代表を務める「希望の党」を設立し、記者会見する東京都の小池百合子知事=9月27日、東京都内のホテル
自らが代表を務める「希望の党」を設立し、記者会見する東京都の小池百合子知事=9月27日、東京都内のホテル【拡大】

 とはいえ、「希望の党」には、政治経験が乏しい新人や、現状では当選が難しいと考えた民進党など既存政党の出身者が多数を占める見通しだ。新党が小池人気に依存した「駆け込み寺」(27日付読売)と揶揄(やゆ)されるのもこのためだ。

 政策も独自性に乏しい。小池氏は、議員定数や報酬の縮減、女性の活躍推進、地方分権の確立、原発ゼロ-などを示したが、いずれも新味を欠く。実現への具体的道筋は示せなかった。

 小池氏は新党の立ち位置について、「社会の分断を包摂する寛容な改革保守政党を目指す」と語ったが、「得心のいく人がどれほどいるか」(28日付朝日)。

 「原発ゼロ」は、安全性が確認された原発は再稼働するとした安倍政権への対立軸だろうが、産経は「電力の大消費地・東京のトップとして、安定的な電力供給を確保する責任についてどれほど認識しているのだろうか」と問いかけた。

 憲法改正については、「議論を避けてはいけない」と否定しなかったが、改憲内容の具体性は乏しく、9条改正にも明確な見解を示さなかった。

 側近の若狭氏は、「一院制」を政策の柱に据えるとしていた。当然、改憲を伴うが、これにも小池氏は触れずじまいだった。

 首相は、憲法改正では小池新党に期待している節もある。安倍氏が「希望というのは良い響きだ。フェアに戦いたい」とエールを送ったのも、選挙後の協力をにらんだ秋波とも受け取れよう。

 政権選択を訴える政党の代表が都知事のままで選挙戦に挑む「二足のわらじ」にはやはり「違和感を禁じ得ない」(28日付日経)。東京五輪・パラリンピックや豊洲市場問題など課題山積の都政がおろそかになるなら、無責任のそしりは免れない。

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