【ジャカルタレター】ロヒンギャ問題とインドネシアの抗議運動、大統領選に影響も (2/2ページ)

首都ジャカルタにあるミャンマー大使館周辺で、ロヒンギャへの迫害に対し抗議するイスラム教徒ら=9月7日(AP)
首都ジャカルタにあるミャンマー大使館周辺で、ロヒンギャへの迫害に対し抗議するイスラム教徒ら=9月7日(AP)【拡大】

 ジャカルタでは9月7日、ミャンマー大使館周辺でデモ(現地メディアによると約200人が参加)が起きた。ちょうどデモが行われている付近にいたため様子を見に行ってみると、イスラム防衛戦線(FPI)を中心に、あらゆるイスラム団体がそれぞれのユニホームを着て、「民族浄化を止めろ」「大量殺戮(さつりく)を止めろ」といったプラカードを持ちデモに参加していた。多くは公共交通機関の一つであるメトロミニのバスを借り上げ、各地から集まっていた。これは、インドネシアで選挙の際によく見かける政党がお金で住民を動員するような動きではない。それぞれの団体が寄付を募り、自らの意思で炎天下、デモに参加しているのだから驚きである。

 イスラム教徒としてのアイデンティティーが刺激されると瞬時に人の動員を可能にさせる。ロヒンギャ問題がさらに深刻化すれば、このようなデモがインドネシア各地で拡大・頻発する恐れがある。

 政治に利用も

 このデモは、政治的な動きではない。しかし、この動きを政治が使うのである。今回のジョコ大統領の言動は、前回のジャカルタ知事選挙でイスラム団体の勢いを読み間違った失敗を踏まえてのことではないだろうか。

 ジョコ大統領陣営は、「プロジョ」という2019年の大統領選挙に向けた後援会を立ち上げ、活動をスタートしている。イスラム教徒としてのアイデンティティーを強く持ち、ロヒンギャ問題といったイスラム教徒が絡んだ課題に敏感な、いわゆるイスラム保守層をどれだけ取り込めるかが、次の大統領選挙で勝敗を大きく左右する。今後の鍵を握るとされている西ジャワ、中部ジャワ、東ジャワの知事選挙も控えている中で、ジョコ大統領の言動が注目される。(笹川平和財団 堀場明子)

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