【電通社員過労自殺】「旧態依然の働き方」に問題意識突きつける (2/2ページ)

電通の本社ビル=4月28日午後、東京都港区(宮崎瑞穂撮影)
電通の本社ビル=4月28日午後、東京都港区(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

 書面審理のみで罰金刑を科す略式起訴は、軽微で争いのない事件は迅速に処理すべきとの要請に基づくものだが、裁判所はあえて正式裁判を開くことを決めた。過重労働に厳しい目を向けるようになった社会の変化も考慮した判断とみられる。

 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子(えみこ)代表(68)は「社長が公開の法廷で謝罪し、社会的な責任を取らされることになった意義は大きい」と話す。

 過労死に詳しい松丸正弁護士(71)は「何より社員の命、健康が大事。社員ファーストがあってはじめてクライアント・ファーストにつながる」と指摘。「他の企業も今回の事件を教訓とすべきだ」と話す。

 政府は「働き方改革実行計画」で、残業時間の上限を明確化するなど、本気で対策に乗り出している。今後、社員に過重労働を強いる企業はブランドイメージを損ね、経営上もリスクを負うことになる。

 「過重労働を根絶することを約束する」。判決後、山本敏博社長はこう語った。全ての企業の経営者が取り組むべき誓いであるはずだ。

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