【SCWS2017】(1)世界をつなぐ-持続可能な未来に向かって

サミットの会場となる日本科学未来館(東京・お台場)
サミットの会場となる日本科学未来館(東京・お台場)【拡大】

 □来月、東京で世界科学館サミット

 ■新たな戦略と具体的な貢献を議論

 「世界をつなぐ-持続可能な未来に向かって」をメインテーマに、世界の科学館を牽引(けんいん)するリーダーをはじめ教育や政策、企業の関係者らが一堂に会する「世界科学館サミット(SCWS)2017」が11月15日から3日間、東京・お台場の日本科学未来館で開催される。激変する社会の中で科学館が果たすべき役割や課題について幅広い議論を展開、持続可能な地球の未来に向かって具体的な提言を行う。

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 今回の「世界科学館サミット(SCWS)2017」では、地域レベルから地球規模の課題まで幅広く取り上げ、科学館が他の業界組織と連携した新しいモデルへと変革し、持続可能な社会の実現に貢献していくための戦略について議論。さらに2015年に国連で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向け、科学館を重要なプラットフォームとして位置づけたうえで、課題解決への深い理解と創造性を生み出していくための方法を考えていく。

 3日間の会議では各日ごとにトピックを設定。初日は「グローバル・サステナビリティ」を中心テーマに、持続可能な社会に向けた取り組みのために科学館が果たすべき役割について話し合う。セッションは「サステナビリティのための『システム思考』」や「持続可能なエネルギーの未来に向けた科学館の取り組み」など。科学館の新たな戦略と具体的な貢献について議論する。

 2日目の中心トピックは「ともに創り、ともに変わる」。「持続可能な未来に扉をひらく:産業界と科学館のコラボレーション」や「科学館と学校の共創によるグローバルな科学教育の変革」といったセッションを用意し、科学館が他の業界組織とどのように連携し、互いがどういった形で変わっていくべきかを考察する。

 3日目は「一人ひとりが科学に関わるために」。サステナビリティのためには、個人も新しい習慣を身につけて、変わっていく必要がある点を重視。市民一人ひとりの生活と科学を具体的に結びつけ、個人の変化を促すには科学館として何ができるのか、といった観点からの議論を進めていく。セッションは「社会的・教育的弱者と科学技術とを結びつける」「ミュージアムは人々の行動をいつ変えられるのか?」などで構成される。

 これらに加え、「科学分野における男女の平等と格差の是正」といったSDGsの各ゴールに関連するセッションも開催する。

 また、この世界科学館サミットの他にも、科学館による持続可能性に向けた取り組みが活発化している。15年に国連でSDGsが採択された後、日本科学未来館の毛利衛館長らは国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)を訪れ、事務局長のイリナ・ボコヴァ氏と面会。ボコヴァ氏は「国連と連携して活動を行える」と科学館に対して多大な期待を寄せていることが分かり、11月10日を世界科学館デーとして設定。ユネスコと一緒にSDGsに関する活動に取り組むことを決定した。

 昨年は市民がスマートフォンによって雲を撮影し、NASA(アメリカ航空宇宙局)などに写真を送信。地球観測の専門家が、宇宙と地球からの雲の様子を付き合わせて地球を多角的に調べる市民参加型のプロジェクトが、世界の科学館で一斉に実施された。

 今年は蚊をテーマに実施する。日本でも14年にデング熱の国内感染が報告されたのは記憶に新しいが、市民が身近に生息する蚊を写真に撮って送ると、蚊の種類や生息地の広がり、感染症との関連性がわかり、その情報がグローバルな研究に役立てられる。

 身近かつ重大な課題に市民を巻き込んで解決していくため、国を超えた科学館の挑戦がはじまっている。

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 <開催概要>

 ◇日 程:11月15~17日

 ◇場 所:日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)

 ◇参加者:50カ国500人

 ◇主 催:日本科学未来館

 ◇共 催:文部科学省

 ◇後 援:内閣府、外務省、環境省、日本学術会議、

      日本学術振興会、国際交流基金、経団連

 ◇協 賛:味の素、カネカ、リコー、花王、カブリ財団、日本緑茶センター、日本エマソン、大塚ホールディングス、日本薬理評価機構、タカラトミー、トヨタ自動車

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