受付嬢から社長になってよく聞かれることは… また不思議なご縁、今度は「スゴ腕の学生」 (3/3ページ)

橋本真里子さん
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「私にはコードは書けないけど…」 また不思議なご縁も

 もうひとつ、弊社のクラウド型受付システム「RECEPTIONIST」の誕生に大きく関わるお話があります。それは、あるハッカソンで生まれた「→Kitayon(キタヨン)」という受付システムが前身になっているというお話です。

 キタヨンは、飲食店向けの予約管理サービスを手掛けるトレタ(本社・東京都)でCTOを務める増井雄一郎さんら有志のエンジニア集団によって開発されました。ハッカソンでは優秀賞を受賞。当時はまだ受付嬢だった私ですが、起業に向けた事業内容は決まっていたので注目していました。しかし、キタヨンが本格リリースされたというニュースは目にすることなく、時間は過ぎていきました。

 それから約一年。私が起業してから初めて参加したイベントに、トレタCOO(最高執行責任者)の吉田健吾さんが参加していたのです。これも不思議なご縁なのですが、実は吉田さんも元々GMOインターネットのグループ会社に在籍していました。久しぶりに再会し、起業したことを話しました。そしてキタヨンはどうなったのか現状を伺いました。「同じタイミングで同じようなプロダクトを作るのであれば、何か協力し合えないか」と私は考えていたのです。

 聞くところによると、トレタではキタヨンをサービス化することが難しい状況にありました。「それならば、弊社で開発を引き継がせてもらえないでしょうか!?」

 その後、トレタの中村仁社長とキタヨン開発者の増井さんにお会いし、この受付システムの原型となるソースコードを弊社で引き継がせてもらえることになりました。

 開発速度が進んだことはもちろん、業界の大先輩である中村さんや増井さんからはサービス、経営、プロダクトと多方面でアドバイスをもらえました。それからは弊社でもかなり追加開発を重ねて、受付システムは当初からずいぶんと姿を変え、ついに17年1月、「RECEPTIONIST」として新たに誕生しました。

 「私にはコードは書けない」。これは揺るぎない事実ですが、私には私にしかできない仕事があります。内部も外部もいろんな人を巻き込み、新たな可能性を考え、そのタネを引き寄せてくる-。それが私の仕事だと思っています。

 今回は「RECEPTIONIST」の誕生についてお話しました。次回は、このプロダクトがどのように成長していくのかをお話できたらと思います。

【プロフィル】橋本真里子(はしもと・まりこ)

橋本真里子(はしもと・まりこ)ディライテッド株式会社 代表取締役CEO
1981年11月生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。11年という企業受付の現場の経験を生かし、もっと幅広い受付の効率化を目指し、16年1月にディライテッドを設立。17年1月に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週金曜日。

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