火星衛星・フォボスに着陸へ JAXA、砂持ち帰る計画

火星衛星探査機のイメージ(JAXA提供)
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2020年代に計画する火星の衛星の無人探査で、2つある衛星のうち「フォボス」に探査機を着陸させ、砂などを地球に持ち帰ると発表した。開発中の次世代ロケット「H3」で24年度に打ち上げ、29年の地球帰還を目指す。

 砂や岩石の成分を調べて衛星の成り立ちを探るほか、表面に積もっているとされる火星からの飛来物質を分析し、火星の形成過程を解明する。

 フォボスはもう1つの衛星「ダイモス」よりも火星に近く、火星の物質がある可能性が高いという。約3年かけて複数回着陸し、砂などを採取する。ダイモスも上空から表面を観測する。

 探査機には米航空宇宙局(NASA)が開発する観測機器を搭載する。衛星表面の元素の組成や水素の存在量を調べるほか、着陸地点を選ぶのにも役立てる。