千葉大教授、災害の前兆捉える小型衛星を開発 荒天時や夜間でも鮮明に観測可能

災害の前兆を捉える小型衛星を開発した千葉大教授のヨサファット・スリ・スマンティヨさん
災害の前兆を捉える小型衛星を開発した千葉大教授のヨサファット・スリ・スマンティヨさん【拡大】

 □千葉大教授 ヨサファット・スリ・スマンティヨさん

 「小型人工衛星で災害の前兆を捉え、被害を最小限に食い止めたい」。2004年のスマトラ沖地震で知人2人が犠牲になり、災害対策に力を注ぐ。雲や噴煙を透過して地表を観測するレーダーの精度を高め、積み込んだ衛星も軽量化して、20年の打ち上げを目指す。

 インドネシア・バンドン出身。5歳の時、空軍学校の校長だった父親の職場を訪ね、防衛を担う航空レーダーが外国製と知る。「お父さんのためにレーダーをつくってあげる」と約束した。

 1989年に日本に留学し、金沢大でレーダーの研究を重ねた。スマトラ沖地震では、母国で自分が設立した教育支援財団の職員2人が出張中、最大の被災地バンダアチェで津波の犠牲になった。「レーダーの精度を高めれば、救える命がある」。幼き日の父との誓いは少し形を変えた。

 千葉大で責任者として開発したレーダーは、荒天時や夜間でも鮮明に観測できるため、地殻や火山の変動を監視するのに適しているという。日本の高度な加工技術による金属繊維をアンテナに使い軽量化を実現。衛星の小型化にもつながり、100億円規模のコスト削減で1機当たり10億円以下にするのが目標だ。「日本とインドネシアは災害国といわれる。互いに知恵を出し合い、両国の懸け橋となるような衛星にしたい」