日産・西川社長、強気発言を一転 「言い訳のしようがない」 全車両出荷停止で

記者会見に臨む日産自動車の西川広人社長=19日午後、横浜市西区(福島範和撮影)
記者会見に臨む日産自動車の西川広人社長=19日午後、横浜市西区(福島範和撮影)【拡大】

 新車製造の最終工程「完成検査」を無資格の従業員にさせていた日産自動車では、新たに3工場で問題が発覚した後も不正を継続していたことが19日、明らかになった。日産の西川広人社長は同日夜、本社(横浜市西区)で開いた記者会見で「対策には時間をかける。ゆとりを持たせる」などと慎重な姿勢を見せ、2日に行った前回会見で「検査工程そのものは確実に行われている」などとした強気の発言から態度を一変させた。

 「大変申し訳ない。残念な報告をさせていただく」。会見でこう切り出した西川氏は、9月中旬に問題が発覚した後も現場で続いていた無資格者による検査について、「何でこんなことが守れないのかという疑問を持つと思う。よく分かる」と述べ、「不徹底という以外、言い訳のしようがない」などと無力感をにじませた。

 第三者を含むチームの調査で新たに問題が発覚した3工場では、完成検査の一部工程が別の検査ラインに移されてもいた。同社は9月中旬以降の社内調査で、完成検査ライン以外を確認しておらず、チェック態勢の甘さが浮き彫りになった。西川氏は「長年の癖を抜くために徹底してやる」と強調した。

 西川氏は問題の背景として、工場で現場を監督する立場の係長と上司との意思疎通がうまくいっておらず、「落とし穴があった」との認識を示し、上司に意見を伝えづらい風通しの悪さがあった可能性も明かした。

 今後については「がんじがらめの緊急対応を取る」とする一方、「完成検査員が潤沢にいることが大事だ。ゆとりある配置にする」と述べた。人手不足が問題だったかについては「簡単に言えない」と言葉を濁したが、人員に余裕がない場合には、現場での作業を少なくして負荷を減らす考えを示した。