「システム操作が面倒」「アップロードの動作が重い」「フリーズする」など手厳しい意見も頂きました。ある機能はIT機器に慣れていない人でも簡単に操作できるように、一から刷新することにしました。幸い、弊社社員は受付システムだけに専念できるため、システム改修のスピードの速さは好評。システムはブラッシュアップされ、その企業も導入を決めてくださいました。
社長みずから営業
昨年起業したばかりの弊社は、13名の少数精鋭で運営しています。部署ははっきり分かれておらず、「一人数役」をこなすのが当たり前。私の場合は、サービス開発にはもちろん関わっていますが、一番時間を割いているのは営業活動です。そこに取材などの広報活動が加わることもありますし、社内のバックオフィスの仕事も抱えています。受付嬢として働いているときは「受付業務」だけに専念できたので、「兼務」で働くのは想像以上に大変です。
でも、業務が多岐に渡ることでメリットもあります。例えば商談で「サービスの強みは?」「他社と何が違う?」と聞かれたときに、会社全体が見えているから多角的に答えることができます。お客様に響く言葉のバリエーションをどれだけ持っているかは、商談の行方を左右します。一人数役をこなしていることで、私はこの営業力を身に付けられています。
ちなみに…私はサービスのリリース当初からずっと営業をしています。その理由は、お客様こそ最大のヒントを与えてくれ、サービスを成長させてくれると考えているから。クライアントの声を受け止め、プロダクトに反映させるかどうかを自分たちのポリシーと照らし合わせ検討する。この繰り返しがサービスを磨いていくのです。
第1回から5回まで長くなりましたが、自己紹介代わりに私の起業ストーリーをお話しました。
いよいよ次回からは、受付嬢時代に見聞きした“受付と企業の裏側”を紹介していきます。ご期待ください!
【プロフィル】橋本真里子(はしもと・まりこ)
ディライテッド株式会社 代表取締役CEO
1981年11月生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。11年という企業受付の現場の経験を生かし、もっと幅広い受付の効率化を目指し、16年1月にディライテッドを設立。17年1月に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。
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【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週金曜日。