職員自殺訴訟、さいたま市の賠償を1920万円に増額 2審も安全配慮義務違反を認定

 さいたま市職員だった前沢史典さん=当時(41)=が自殺したのは職場のパワーハラスメントが原因だとして、両親が市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。阿部潤裁判長は「パワハラの訴えに上司らが適切に対応しなかったため鬱病を悪化させて自殺した」として、1審さいたま地裁判決に続き、市の安全配慮義務違反を認定。賠償額を増額し、市に約1920万円の支払いを命じた。

 阿部裁判長は、前沢さんがペアを組んでいた先輩職員から「暴行・暴言などのパワハラを継続的に受けていたと推認できる」と指摘。上司には前沢さんの訴えを放置した安全配慮義務違反があり、「適切に対応していれば自殺を防げた可能性が高い」と判断した。

 1、2審判決によると、前沢さんは平成23年4月から市西部環境センターに勤務。先輩職員からの暴力を上司に訴えていた。12月14日付で医師から「鬱病が悪化し、休職が必要」との診断書を出され、21日に自宅で首をつって自殺した。

 1審は約8千万円の請求に対して、約1320万円の賠償を命じた。2審で両親は請求額を約6600万円に減縮していた。