建設アスベスト訴訟、国・メーカーに3億7000万円賠償命令 元労働者側が逆転勝訴 (1/3ページ)

「建設アスベスト訴訟」の控訴審判決後、国と建材メーカーの責任を認めたことを伝える垂れ幕を掲げる弁護士=27日午後、東京高裁前
「建設アスベスト訴訟」の控訴審判決後、国と建材メーカーの責任を認めたことを伝える垂れ幕を掲げる弁護士=27日午後、東京高裁前【拡大】

  • 「建設アスベスト訴訟」の控訴審判決後に開かれた報告集会で、気勢を上げる原告団ら=27日午後、東京・永田町

 建設現場で建材に含まれるアスベスト(石綿)を吸い、肺がんなどを発症したとして、神奈川県などの元労働者や遺族ら計89人が国と建材メーカー43社に計約28億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。永野厚郎裁判長は「国が事業者に防塵マスクの着用を義務づけなかったことは違法」として、国とメーカー4社の責任を認定。原告側の請求を全面的に退けた平成24年5月の1審横浜地裁判決を変更し、62人に計約3億7000万円を支払うよう命じた。

 建設現場の元労働者が全国で起こした14の訴訟で初の高裁判決で、メーカーの責任を認めたのは京都地裁判決(28年1月)、横浜地裁判決(今月24日)に続いて3例目。全国の同種訴訟に影響を与えそうだ。

 永野裁判長は、石綿使用で先行する諸外国で中皮腫の発症件数が急増していたこと、建築作業は石綿粉塵にさらされる危険性のある職業分野であるとの認識が形成されていたことなどから、「遅くとも昭和56年1月の時点で、国が防塵マスクの着用義務づけなどをしなかったことは、著しく合理性を欠く」と指摘。マスク着用が義務づけられた平成7年4月までの期間について、責任を負うとした。