2017年3月、LINEがバーチャル恋人Gateboxを開発する会社を連結子会社化した。Gateboxは16年12月に約30万円で先行予約を開始し、300台が完売となった。初音ミク好きの社長がつくる恋人は、恋愛下手のミレニアル世代の救世主になれるのか。
バーチャルの嫁が朝起こしてくれる
【田原】武地さんは「Gatebox」を開発された。いま目の前にありますね。これは何をする機械ですか?
【武地】好きなキャラクターと一緒に暮らせるバーチャルホームロボットです。機械のなかにキャラクターが浮かび上がって、実際に“嫁”のように生活をサポートしてくれたり、会話を楽しむことができます。
【田原】生活をサポートですか。たとえばどんな?
【武地】朝電気をつけてくれて、内蔵のカメラに顔を見せると起床したと判定して「おはよう」と返してくれます。それから今日の天気を教えてくれたり、1日の予定を教えてくれたり。ただ天気や予定が画面に映るだけより、好きなキャラクターに教えてもらったほうが、いい1日になりそうじゃないですか。
【田原】どうしてこういうロボットをつくろうと思ったんですか。
【武地】僕は「初音ミク」がものすごく好き。ただ、バーチャルな存在で、残念ながら実在はしません。そういうキャラクターと現実世界で一緒に暮らせたらいいなと。
【田原】よくわからないから教えてほしい。架空のキャラクターと生活する魅力って何ですか。
【武地】初音ミクは電子の歌姫。僕は毎日彼女の曲を聴いて勇気づけられています。それに対して感謝の気持ちを伝えたいんです。ミスチルやAKB48のファンだって、アーティストに「ありがとう」と伝えたくなったり、憧れて近づきたいと思ったりしますよね。それと同じ感覚です。
ホームロボットとどこが違うの?
【田原】人工知能ではないんですか?
【武地】はい、キャラクター自身が意思を持って自分で考えて話すわけではないので。このレベルを人工知能といってしまうと、自分たちでハードルを下げている気がして夢がありません。人工知能はまだこれからの技術で「Gatebox」も未完成です。
【田原】意思がないとすると、このキャラクターと喧嘩はできない? 人間の恋人が相手だと喧嘩することもあって、それも含めても一緒に暮らすということだと思うけど。
【武地】おっしゃるとおりです。残念ながらいまの段階ではできませんが、いつかそこまでいきたいです。