他人のiPS移植、5例実施 理研

 理化学研究所などのチームは1日、他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞を、重い目の病気の患者に移植する世界初の臨床研究について、これまでに目標の5例の移植手術をしたと明らかにした。

 チームは3月、兵庫県在住の男性に対し1例目を実施したが、いずれの症例も約1年間の経過観察中で、患者や経過に関しては公表できないとしている。今後の患者募集は終了した。

 移植を受けたのは、いずれも網膜に障害が起き、失明することもある「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者。理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが、神戸市立医療センター中央市民病院と大阪大病院(大阪府吹田市)で行った。他人のiPS細胞は患者本人のものを使うよりも準備期間が短く、費用も安くなる利点がある。今回は5例とも京都大で備蓄している、移植しても拒絶反応が少ない特殊な免疫の型のiPS細胞を用いた。