海外からの評価は京都よりも上 福岡の人口がどんどん増え続けている理由 (6/7ページ)

 面積8600平方メートル、天神の大規模再開発

 --今後、福岡市がさらにランキング上位を目指すには、何が必要なのか。

 【倉富】第1の課題は、古くなったビルの建て替えです。ここ(6階の応接室)から窓の外を眺めてみてください。老朽化したビルや施設が目立つでしょう。それらを刷新する必要があります。しかし単なる建て替えではなく、これからの福岡市の成長エンジンともなる開発をしていこうというのが、市が主導している「天神ビッグバン」です。これは福岡を「スタートアップシティ」にすることを経済戦略の要とする高島市長が、特に力を入れているプロジェクト。天神一帯に多種多様な人や文化が集まり、出会う場をつくって、新しい事業や文化が次々と生まれる環境を整えていこうとしているんです。当社もその一翼を担おうと、15年に起業家を対象にしたコワーキングスペース「天神COLOR」を開設しました。今後はこの福岡ビルと「天神コア」「天神ビブレ」の建て替えを10年越しで進める方針で、これが実現すれば、敷地面積8600平方メートルという大規模な再開発となります。

 その具体的なイメージはいま詰めていますが、低層階には賑やかな店舗施設が入ります。前の歩道も整備して、歩いて楽しい街にしたい。そしてビルの上層階には文化的な施設と最高の設備を整えたオフィススペースをつくります。さらにSクラスのホテルを加えることも検討しているところです。

 --アジアの玄関口として重要な機能を担う福岡市が、今後アジアのリーダー都市になるための課題は何か?

 【倉富】なんといってもアジアと福岡市、そして国内の主要都市とを結ぶネットワークの強化です。その1つとして期待しているのが、福岡空港の滑走路の増設です。これを機にアジア各国からの発着便が増えることを期待しています。また、それに伴う空港の運営民間委託には、当社も参画したいと、地元事業者で協力体制を敷いて、入札に臨んでいるところです。

もう1つは海の交通