前衛的で発想大胆 豪州産ワイン復権 (1/3ページ)

ペンフォールズの代表的ワイン「グランジ」(ブルームバーグ)
ペンフォールズの代表的ワイン「グランジ」(ブルームバーグ)【拡大】

  • モーニントン半島にあるブドウ畑(GettyImages)

 豪州産ワインといえば「イエローテイル」を思い浮かべる人も多いだろう。飛び跳ねるカンガルーがラベルの大成功を収めたシラーズだ。だが、それしかないと思うなら、それ以上の誤解はない。

 豪州は今、世界で最もエキサイティングでダイナミック、そして多様性のあるワイン市場の一つだ。65地域の3000近いワイナリーで100以上の品種が育てられている。それに今は前衛的で流行に敏感、大胆な発想のワインメーカーが、豪州全土で赤、白を問わずワイン造りに励んでいる。

 ◆米業者が味を再認識

 1990年代後半から2000年代前半、米国人が豪州産ワインに求めていたのは動物を描いたラベルの手頃な価格の製品と、アデレード近くのバロッサバレーなどで造られる高品質のシラーズだけだった。もっとも、高品質なブドウによるワインはいくつかの地域の小さなワイナリーで造られていたのだが、知られていなかった。

 これらのシラーズは、「グランジ」をはじめとするブランドで豪州のワインを世界に知らしめた「ペンフォールズ」によるところが大きかった。長い間、豪州産ワインは、多地域、多品種ブレンドとして定義されていた。

 だが08年の金融危機を契機に、豪ドルの米ドルに対する相場が25年ぶりの高値となったことなどから、豪州の高級ワインに対する関心が大きく後退。好みの変化や豪ビクトリア州での干魃(かんばつ)や低木地帯での火事も重なった。

 米国の輸入・小売業者は豪州産ワインのセレクションを半減。多くの豪州産シラーズがレストランのワインリストから消えた。ペンフォールズは合併案件に巻き込まれ、イエローテイルもアルゼンチン産など安価なワインの流入により成長が鈍化した。

 だが、ついに、豪州産ワインを味わった人々がその良さを再び認識し始めている。

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