急成長一転…自転車操業に てるみくらぶ社長逮捕 (1/2ページ)

経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」が入居していたビル=8日午前、東京都渋谷区(松本健吾撮影)
経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」が入居していたビル=8日午前、東京都渋谷区(松本健吾撮影)【拡大】

 経営破綻で旅行客が帰国できないなどの問題が起きてから約7カ月。警視庁捜査2課が8日、「てるみくらぶ」社長の山田千賀子容疑者(67)らを逮捕した。格安ツアーの代表格として急成長した同社は、実態は融資すら受けられない自転車操業に陥っていた。代金弁済が進まない中、利用者からは改めて怒りの声が上がった。

 てるみくらぶは平成10年の設立後、大型旅客機の空席を安く確保することで原価を抑え、海外旅行の低価格販売で業績を伸ばしてきた。しかし24年ごろから格安航空会社(LCC)が台頭し、価格競争が激化。航空会社も航空機を小型化するなどして空席を減らし、安い航空券の確保も困難になった。こうした“逆境”の中、25年4月以降は赤字が目立ち始め、26年9月期には債務超過に陥った。

 同社は旅行者が支払った前払い金を原資に、航空会社や宿泊施設への支払いを行っていた。そのため、価格競争による利益の減少やコスト増が起きていたにもかかわらず、さらに価格を下げて旅行者を集め、運転資金を確保する必要性に追われた。

 こうした悪循環の下、最終的に航空会社や宿泊施設への支払いができなくなった。旅行業関係者は「とても採算が合う価格設定とは思えなかった」と明かす。