廃棄されるパンからビール 廃棄問題の活動家が挑戦 (1/2ページ)

世界では日々、大量のパンが廃棄されているという(ブルームバーグ)
世界では日々、大量のパンが廃棄されているという(ブルームバーグ)【拡大】

 国連食糧農業機関(FAO)によると、毎年世界中で全生産量の3分の1にあたる約13億トンの食品が廃棄されている。その元凶は、ほぼ間違いなくパンだ。保存期間の短さから、パンは大量の食べ残しがあってもフードバンク(食糧銀行)や食糧配給プログラムが利用できないことが多い。

 そこで、英国の作家であり食品廃棄問題の活動家でもあるトリストラム・スチュアート氏は、余ったパンを使い、いくらあっても足りないものを作ることにした。ビールだ。

 スチュアート氏が創業したビール醸造所「トースト・エール」は、ブリュッセル・ビール・プロジェクトというベルギーの醸造所からアイデアを得たものだ。廃棄されるパンからビールを作っていたこの醸造所を訪問したとき、スチュアート氏はすぐさま「これは素晴らしい方法だ」と考えたという。まだ十分食べられるのに廃棄されているパンは世界中に大量に存在し、協調の精神と問題解決への意欲を持ったクラフトビール醸造家も世界各地にいるからだ。そしてもちろん、廃棄食品を非営利団体の資金源に生まれ変わらせる企業家的発想を求める活動家らのネットワークも、すでに世界中に広がっている。

 パンもビールも水と穀物とイーストで作られることを考えれば、「この組み合わせは完璧にうまくいく」とスチュアート氏は確信した。英国で2016年に始動したスチュアート氏のプロジェクトは現在、ラガーの「マッチ・ニーデッド」、セッションIPAの「ブルーミン・ラブリー」、ペール・エールの「ピュアブレッド」という3種類のビールを生産するに至る。

創業以来、9トンのパンをビールに